【レーザー彫刻】データ作成のコツと注意点を詳しく解説!

美しく仕上がるレーザー彫刻だからこそ、完成されたデータを作りたいですよね。

今回は、データの作り方と注意点をご紹介します。

思いどおりのデザインはどうやって作るのか。何に気をつけるべきか。

データ作成のちょっとしたコツをまとめました。

写真データを彫刻する方法も解説しています。


レーザー彫刻用データの作り方をご紹介

まずは、彫刻機の取り扱い説明書を開いてください。


データ作成の記載がなければ、ここでご紹介した方法が役立つかもしれません。

ただし、彫刻機の機種によっても違います。

一般的な方法をご案内していますが、対応できるかどうか確認しましょう。

レーザー彫刻には、デザインを描くデータが必要です。

そのデータを送信することで、イラストや文字の彫刻も可能。

つまりデータ作成ソフトをダウンロードできるPC。

もしくはスマホを持っていなければ、データ作成は難しくなります。

「絵を描くのは苦手」「デザインを思いつかない」

そんな場合は、データ作成を請け負う業者へ依頼してください。

イメージを伝えて作成してもらう。原案を持ち込みデザインしてもらう。

必要なデータさえそろえば、レーザー彫刻できます。

せっかくだから自分で作りたい!世界に1つだけの作品を仕上げたい!
データ作成に挑戦するなら、さっそく準備をしましょう!


作り方1. 「Illustrator」を使う

デザイン業界でお馴染みの「Illustrator」。
アメリカ「Adobe社」で開発されたグラフィックソフトです。


▼可能なデザイン

  • タイポグラフィ
  • スケッチを元にした手書きレタリング
  • ロゴやアイコン
  • バナーやイラスト

さまざまなデザインのデータを作成できます。

【入手方法】
・月額2,782円(税込み)で購入
・7日間の無料体験

使いこなせるかどうか心配な場合は、無料体験からお試しください。
(体験期間終了までは請求されません)
慣れたら正規版を購入しましょう。


作り方2.「Illustrator iPad版」を使う

公式サイトからQRコードをスキャンし、アプリ入手可能です。


Apple Pencilで自由な描画にも対応。

20,000以上のフォントを使えるため、好みのロゴに仕上げられるでしょう。

「Creative Cloudライブラリ」のカラーパレットにもアクセスできます。注目したい機能
・ベジェ曲線の作成
・ベクター変換
・アートブラシとカリグラフィブラシ
・Photoshopとの連携
・Adobe Illustrator Template対応
・塗ブラシ機能
芸術性の高いイラストやロゴも自由自在、素敵なデザインを描けるでしょう。


作り方3.「無料版Canva」を使う

「Canva」は、ブラウザとスマホアプリで使用する無料デザインツールです。

素材とツールが自由に使える有料版も販売。

素材のフル活用を求めなければ、無料版でも充分なデザインを描けるでしょう。


①彫刻する素材のサイズに合わせ、デザインテンプレートを選択
*「印刷製品」から選んでもOK
*ピッタリ合わなければ「カスタマイズ」から数値入力
②動作環境をmmに変更
(1度サイズを決めたら変更不可)
③サイズ確認→デザイン製作
④入稿用PDFファイルを作成(拡張子はない)
⑤「トリムマークと塗り足し」をチェック、ダウンロードでデータ完成
(広告表示があるため×で閉じてください)

代表的デザイン
・バリエーション豊富なリボンフレーム
・図形、イラスト、GIF、矢印、シルエット、人のピクトグラム、土下座の絵文字
・白黒フィルタ、丸で切り取り、写真加工

作り方4.「CorelDRAW」を使う


「CorelDRAW」は、プロも使う本格的なグラフィックデザインツールです。
WEBベースで作業できる「Corel Vector」。
ビジネスで活躍できる「CorelDRAW Standard 2021」。
高機能の「CorelDRAW® Graphics Suite」。
15日間無料体験を楽しめる製品が並べられています。
それぞれの特徴を確認し、必要なソフトを選んでください。

代表的な特徴
【Corel Vector】
・幾何学模様の作成
・透明度やブレンドモードの管理
・TrueType やOpenType フォントを搭載
・PDF、SVG、SVGZ、EPS、JPEG、PNG、GIFをインポート
・Apple Pencil互換性あり

【CorelDRAW Standard 2021】
・クリエイティブなテンプレート対応
・スキャン画像や低解像度画像をグラフィック変換
・オブジェクトの透明度やパターン、グラデーション変更可
・64 ビットの「Windows 11」「Windows 10」に適用
・画面解像度1280 × 720

【CorelDRAW® Graphics Suite】
・1,000種類以上のテンプレート
・等高線やエンベロープ、ブレンドやメッシュ塗りつぶしに対応
・ブロックシャドウや輪郭など効果適応
・ビットマップからのベクター変換
・遠近描画の非破壊的編集

【入手方法】
・サブスクリプション登録(期間限定で割引あり)
・1回きりの買い切り
ソフトにより価格は違いますが、7,700円~41,580円/年(税込み)です。


作り方5. 「Mini Laser engraving machine」を使う


「Mini Laser engraving machine」は、スマホ対応のアプリです。


「ミニレーザー」「レーザー刻印」「レーザー加工機」「ミニレーザー彫刻機」で検索。

Google Play・Samsung・App Storeで手に入ります。

*小型レーザー加工機「Runmecy」に対応(他の彫刻機へは動作環境不明)

作り方6.ミニレーザー彫刻機専用アプリを使う

APPストアで「レーザー彫刻機」と検索し、ダウンロードしてください。


Bluetoothとレーザー彫刻を接続。

スマホで撮影した写真やイラストなど、画像をアップロードするだけ。

そのまま簡単に彫刻してもらえます。

*他の彫刻機へは動作環境不明


作り方7.無料データをダウンロードして活用

レーザー彫刻機のメーカーによっては、イラストなどの素材を無料配布しています。


そのためダウンロードすれば、自分の素材に組み合わせて使用可能。

なんとなく物足りなかった作品にも、オシャレなアクセントを加えられるでしょう。


レーザー彫刻用データの注意点

【Illustratorを使用した場合】
◆文字のアウトライン化
アウトライン化は、文字フォントを図形として認識すること。
同じフォントをインストールしてないPCでは、文字化けする可能性があります。
まったく違うフォントになることもあり、当初のデザインが反映されません。
アウトライン化すれば、正しいフォントで表示されます。
「自分のPCで作業するから」という場合も、アウトライン化しておきましょう。
・PCの調子が低調
・友人にデータを送る
・自宅以外で作業する
さまざまな状態を想定し、リスクヘッジしてください。

【アウトライン化の手順】
①ドキュメントのすべてをロック解除
②レイヤー(鍵マーク)の解除
③オブジェクト内「すべてのロックを解除する」を選択
④「選択」→「すべてを選択」
⑤「書式」→「アウトライン作成」
⑥「書式」→「フォント検索」(フォントを確認)
フォント名が表示されていれば、アウトライン化されていません。
アウトライン化されない場合は、以下を確認してください。
・レイヤーロック解除、オブジェクトロック解除を確認
・テキストツールの孤立点を削除
・文字変形「エンベロープ」使用→「オブジェクト」→「エンベロープ」→「拡張」
・パターン使用時は、「オブジェクト分割」→「拡張」→「アウトライン」

*1度アウトライン化すると、元には戻せません。

◆画像解像度の確認
画像解像度=1インチのピクセル(マス)数。
ピクセルの数が多ければ多いほど、鮮明な画像になります。
小さな文字や繊細なデザインは、600dpi以上で対応してください。
解像度が低い場合、文字や絵柄の輪郭がぼやけることもあります。

◆重なるオブジェクトは型抜きする
以下のイラストをご覧ください。

例えば丸「〇」の中に「半額」の文字を描くとします。
これは「〇」と「半額」を組み合わせた2つのオブジェクト。
ただし、このままでは1つのオブジェクトとして仕上がりません。
「〇」のみが認識され、「半額」の文字は反映されない状態。
そのため「〇」のオブジェクトだけが、データとして作成されます。
これを回避するには、「パスファインダー」の「前面オブジェクト型抜き」を選択してください。
すると「〇」に重なる「半額」の文字は型抜きされ、1つのオブジェクトとして認識されます。

【パスファインダーの表示】
・メニューバー「ウインドウ」→「パスファインダー」
・「Shift+Crtl+F9」(Windows)、Shift +⌘+F9」(Mac)

◆不要な線の重なりを削除
以下のイラストをご覧ください。

2つのハートは重なっています。


このままでも素敵ですが、好みによっては重なった線が邪魔になるかもしれません。
そのため以下のように重なった線を削除します。
(わかりやすくなるよう、小さいハートを塗りつぶしました)

シェイプ形成ツールを使用し、不要な線を削除しましょう。
①不要な部分(線)をすべて選択
②シェイプ形成ツールを選択
③Altキーを押しながら線の上にマウスを置く(選んだ線は赤くなる)

【Canvaを使用した場合】
◆反映されないフォントがある
日本語は、317種類(2022年現在)用意されています。
ただし、無料版では281種類にしか対応していません。
使えないフォントを選ばないよう注意してください。
選んだ場合は、文字化けや他のフォントへ置き換わります。

◆ロゴを商標登録できない
作成したロゴは、商標登録して使えません。
つまり作ったデザインで彫刻し、それを商品として特許庁に申請できないわけです。
商標登録が認可されると、独占的にそれを使用できます。
同じロゴを使う人を見かけた場合、差し止め請求も可能。
「Canva」は誰でも利用できます。
そのため同じロゴが作られることも想定内となり、商標登録対象外となります。
ただし、商用利用は問題ありません。
彫刻を施した作品として、オリジナル販売も認められています。
*無加工のCanva写真素材で彫刻した場合は、販売できません。

【その他】
「CorelDRAW」はデザイン性の高いツールです。
使い慣れるまで難しさがあるかもしれません。
スマホアプリでデータ作成する場合は、購入した彫刻機の注意書きを呼んでください。



写真データをレーザー彫刻する方法


写真データは、「Photoshop」もしくは「フォトグラフ」で編集しましょう。


どちらを使うにしても、必ず解像度を確認してください。

解像度が低く画像がはっきりしなければ、キレイに仕上がりません。

最適な解像度は、機種や彫刻を施す素材によっても異なります。

一般的な例

木材・ガラス・布地・石

125~333 dpi

アクリル・二層板・紙

500~600dpi

スタンプ材・金属

600~1000dpi

*ただし、焦点サイズで変わるため、木材やガラスでも300 dpi以上を推奨されることも。

レーザー彫刻は、元の写真データをモノクロ2階調に変換してください。

【Photoshopで行う場合】
①画像データ(300 dpi推奨)を用意
②「イメージ」→「画像解像度」→出力サイズを決定
③「イメージ」→「モード 」→「グレースケール」を選択、画像を変換
(カラー情報は破棄)
④「イメージ」→「色調補正 」→「レベル補正」で明るさを調整
⑤「イメージ」→「モード 」→「モノクロ2階調」を選択
⑥解像度を再出力数値に合わせる
⑦「ハーフスクリーントーン」を選択
(ドットの大きさ線数80、角度45、網点形状:円)
彫刻のデザイン白くしたい場合は、「イメージ」→「色調補正」→「階調の反転」を選択


写真画像は解像度が大きく影響するため、本番前の確認もおすすめ!

いくつか違う線数でテストし、仕上がりイメージをチェックしておきましょう。


まとめ


データ作成には、PCソフトもしくはスマホ対応のアプリを使いましょう。
スマホのアプリは、レーザー彫刻機と連動しています。
そのためスマホの画像データから、ワンタッチで作成可能。
複雑なロゴや繊細なイラスト、こだわりのデザインであれば、PCソフトを利用してください。
写真画像を彫刻する場合、モノクロ2階調への変換は欠かせません。
PCソフトやスマホアプリを使いこなし、思い描いたとおりのレーザー彫刻を施しましょう。

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