レーザー彫刻機とは?
レーザー彫刻機の仕組み
レーザー彫刻機とはレーザーカッターとも呼ばれていて紙や皮や木材、ガラスや金属やプラスチックといった素材の表面にレーザー光を集めて熱を溜め、その熱を使ってイラストや文字を掘り込みや、カットする機械の事です。
小学生の頃に行なった、虫眼鏡に光を集めて紙に穴を開ける実験を思い出していただければイメージが付きやすいと思います。
レーザー彫刻機の仕組みも大まかには同じ原理です。
機械によっては金属に穴を開ける程の非常に高エネルギーなレーザーなので、専用のゴーグルをか掛ける等の安全面に注意が必要な面もあります。
近年のレーザー彫刻機市場
また、レーザー彫刻機と聞くと専門知識が必要で専門業者が取り扱う精密機械というイメージを持たれている方も多いかもしれません。
しかし、最近では比較的安価で高性能な家庭用のレーザー彫刻機が数多く発売されています。
その理由としては国内でも海外でもクラウドファンディングを通して数百万、数千万単位の金額を集めて低価格・高性能なレーザー彫刻機の開発・販売に繋げるメーカーが増えた事が一因として挙げられます。
例えば、海外でクラウドファンディングを通して2億円以上集めた LaserPecker 2というレーザー彫刻機は従来のモデルでは不可能とされていた金属や骨や石などの硬い素材にも対応しています。
近しいスペックの彫刻機では30万円以上が相場でしたが、 LaserPecker 2は10万円代で同等の高機能な製品を手にいれる事が出来ます。
日本国内でもレーザー彫刻機のクラウドファンディングは非常に盛り上がっており、ユーザーの細かい需要に対応した製品が数多く発売されています。
この記事で紹介する内容
今回はそんなレーザー彫刻機で出来る事とその作品例や選び方、実際にオススメの商品を、記事を通してご紹介していきます。
レーザー彫刻機で出来ることは?
レーザー彫刻機では様々な工芸品を作成する事が出来てその種類は大きく分けて「レーザーマーキング」と「レーザーカット」の2種類に分ける事が出来ます。
レーザーマーキング
レーザーマーキングとは、対象物にレーザーを当てて熱加工によって記号や文字などをの印を付ける事です。
H4 レーザーマーキングの種類
レーザーマーキングの中にも細かく3種類あり、印刷面剥離、表面層剥離、発色の3種類です。
印刷面剥離は、表面部分の印刷や塗装を剥離して、下の機材が見えるようにする加工方法です。
表面層剥離は、対象物の表面を削る事で印字や記号を彫り込む方法で、最も一般的にイメージされるレーザーマーキングの加工法です。
発色はレーザー光で表面を酸化、焦がす事で印字する方法です。
レーザーマーキングのメリット
レーザーマーキングは家庭用のDIYに留まらず、工業用のシリアルナンバーや企業ロゴ等の刻印としても様々な産業分野で用いられています。そこにはレーザーマーキングならではのメリットが多数ある為です。
第一に、レーザーマーキングは非常に高品質なマーキングが出来ます。
理由は、PCによって自動化されている為、手作業と比較し誤差やムラが無く正確なマーキングが出来る為です。また、レーザー光は非常に細やかで複雑なマーキングも得意として小さな文字や細かい図形にも対応しています。
さらに、ラベルやプリントなどと比較してレーザーマーキングは印字が消えない事も大きなメリットの1つです。
レーザーカット
レーザーカットとはレーザー光によって素材を穴あけや切断する加工方法です。レーザーカットはレーザーマーキングと比べて多くの熱量の出力を必要とします。
また、対応している素材もレーザーマーキングと比べて限られています。
例えば、木材であればレーザーマーキング、カットも対応していても、金属はマーキングのみの機会があり、金属のレーザーカットに対応していても薄い金属素材のみの場合もあります。
その為、購入時に、用途がマーキングのみなのか、レーザーカットも検討しているかによって選ぶ機械が変わってきます。
購入前にある程度どのようにレーザー彫刻機を活用したいか考えておくと失敗無く選べるはずです。
レーザーカットのメリット
レーザーカットもレーザーマーキングと同様の利点があります。
レーザーカットは局所的にレーザー光を集めて加工する為、プレス機などと違い、切断面が綺麗で正確な切断が出来ます。
また、プログラムによって自動で製造出来る為、他の加工方法と比べて作業への手間の少なさもレーザーカットの魅力の一つです。
こんな物が自宅で簡単に作れる!レーザー彫刻の作品例
レーザー彫刻機では工夫次第で様々な作品を作る事が出来ます。自宅で簡単に作れるレーザー彫刻の作品例をご紹介します。
レーザー彫刻機の作品例1 日用品・DIY
レーザー彫刻機を通して作られるものとしてオリジナルのDIY作品が挙げられます。
紙から、木材、プラスチック、金属も機械によっては加工が可能なので、幅広い作品作りが可能です。
最近特に人気なのが携帯電話やスマホケースやPCにレーザーマーキングを入れる作品です。
ほぼ毎日持ち歩き、生活する上で切っても切り離せない物だからこそオリジナリティーを出せると魅力的ですよね。
特にスマートフォンは同じものを持っている人も多いのでデザイン性の面だけでは無く、紛失や盗難防止としてもマーキングは効果があります。
また、ステンレスのタンブラーやガラスのコップにオリジナルデザインのマーキング、オリジナルコースターの制作なども人気があるようです。
レーザー彫刻機の作品例2 プレゼント・記念品
レーザー彫刻の半永久的に残るマーキング技術を生かした、プレゼントや記念品の製作としても活用される機会が多いです。
例えばウェディングギフトの為のワイングラスや披露宴の記念品など特別な日の為の彫刻やプレゼントの為のジュエリー、フォトフレームなどもとても需要が多いようです。
レーザー彫刻機の作品例3 デザイン・アート
様々な加工方法を選択できるレーザー彫刻機はデザインやアートの場面でも活躍しています。
レーザー彫刻機は写真をグラフィックソフトに取り込むとそのまま素材にマーキングする事が出来ます。その為、木材やガラスやプラスチックに写真彫刻として作品を作ってみる人が多いようです。
その他にも紙を切断しオリジナルの3Dカードを作成し、時には建築模型の作成にも活用されています。
レーザー彫刻機の選び方
レーザー彫刻機は様々な種類が有り、特に初心者の方はどの商品を選べば良いのか迷ってしまうと思います。
数多くあるレーザーカッターを選ぶ為の指針をお伝えします。
レーザー彫刻機を使う目的・用途を決める
まずは、レーザー彫刻機を通してどんな作品を作りたいのか決めておく必要があります。レーザー彫刻機は機種によって得手不得手があります。
特に金属加工の場合はマーキングが出来ても、カットは出来ず、マーキングも特定の金属板は加工が出来ない場合があります。
その為、どんな素材で何を作りたいのかを検討しておく必要があります。
ただ、レーザー彫刻機を使うことに慣れてくると最初は検討していなかった素材で新しい作品をどんどん作りたくなる場合も多いようなので、極力多くの素材に対応している彫刻機を選んだ方が長い目で見て良い選択かもしれません。
必要なレーザー出力を確認する
レーザー出力はW(ワット)数で表示されて、レーザー彫刻機の光線のパワーの目安となります。加工したい素材が金属や石など硬度の高い物や、木材やプラスチックなどのレーザーカット中心である場合は出力数の高い商品の方が適切です。
レーザー彫刻機は1.5Wが標準の出力で、3W、5Wとなれば幅広い素材や加工方法に対応しているので上記のような難易度の高めな作品作りにも対応出来るでしょう。
加工できるエリアを確認する
レーザー出力の他、加工したい素材の大きさに対応しているかどうか確認しておく必要が有ります。購入時にはレーザー彫刻機の加工範囲と書かれた部分の広さが適切かどうか見ておきましょう。
こちらもレーザー彫刻機に慣れてくるとより大きな作品を作りたくなる可能性があるので加工範囲が広めな彫刻機を選んでおく事をおすすめいたします。
DIYにおすすめのレーザー彫刻機3選!
では実際にオススメのレーザー彫刻機をご紹介します。
DIYにおすすめのレーザー彫刻機 1 GORIFEI レーザー彫刻機 2021年モデル
まず、初心者の方におすすめなのがGORIFEIというメーカーの彫刻機です。
900gという軽さで、1.6mwと標準的な出力が出来て、iOSとAndroid共に対応している点が魅力的です。
対応している素材も比較的幅広く、セラミックや木材、プラスチックといった基本的な素材の加工は網羅しています。しかし、金属やガラスなどは加工が出来ないので注意が必要な点です。
付属品として作業用のゴーグルが付いてくるので安心して工作に取り組めますね。
2022年モデルもあり、2021年モデルと比較してレーザーの直径が0.2mmから0.08mmに圧縮されてより細かい表現が出来るようになりました。しかし、値段が倍以上するので、初心者の方であればまずは2021年モデルをおすすめします。
DIYにおすすめのレーザー彫刻機 2 FABOOL Laser Mini
smartDIYsという会社から発売されているFABOOL Laser Miniという商品もおすすめです。
初心者の個人でも手が届くレーザーカッターというコンセプトでクラウドファンディングを通じて出来た商品です。
こちらは出力数や加工範囲を選ぶ事が出来ます。
出力は1.5Wか3.5Wで加工範囲は30×23㎝と60×42㎝、100×100㎝とそれぞれ6パターンの組み合わせがあります。値段は最も安くて6万円代で一番高い機種で12万円台です。
用途、加工したい素材の大きさに合わせて選んでみて下さい。
自分で組み立てる方式ですが、日本語で分かりやすいWebでの説明書があるので初心者の方でも2時間程度で組み立てる事が出来るようです。
拡張性の高さも魅力の1つで、拡張パーツによって加工エリアを拡大やレーザー出力を上げる事も出来ます。
DIYにおすすめのレーザー彫刻機 3 LaserPecker2
本格的にレーザー彫刻機を使用したい方におすすめなのがLaserPecker2です。
冒頭でも少しご紹介したように、こちらもクラウドファンディングを通して資金を集めて出来たレーザー彫刻機です。
出力数は5Wと業務用としても十分対応出来る高出力なので、家庭用では難しいとされる金属などの加工も可能です。
値段は海外の製品なので変動がありますが、約10万円から14万円程度で販売されています。
高機能ながらスマホから簡単に操作が可能で、家庭用のレーザー加工機では難しいとされていた360°回転させながらの加工を施す事も出来ます。
また、Youtubeを通して多くの人が紹介しているので、気になった方は視聴してみると実際に使っているイメージが付きやすいと思います。
最安で最高スペックのレーザー彫刻機が欲しい方、様々な素材で作品を作りたい方に最適な商品です。
まとめ
ここまでレーザー彫刻機の活用例や選び方や実際の彫刻機についてご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?
ここではご紹介しきれない程、レーザー彫刻機は多様な工作が可能で、工夫次第で様々な作品を生み出す事が出来ます。
そしてこの記事が、数あるレーザー彫刻機の中から長く使える1品を選べて、楽しいレーザー彫刻機ライフを送る手助けになれば幸いです。