最近増えたレーザー彫刻機、どの機種を選ぶか迷いますよね。
どこまでガラスを加工できるのか。
加工できない彫刻機はどれか。
ここでは、レーザー彫刻機を選ぶ基準や注意点を解説しました。
ガラスを加工できるレーザー彫刻機とは
レーザー彫刻機は、レーザービームの熱を利用した彫刻機です。
金属や陶器、アクリルやガラスに彫刻を施せます。
オリジナルのロゴやメッセージ、記念日やマークを刻印。
うまく活用すれば、世界に1つだけの作品を仕上げられるでしょう。
ただし、どんな素材にも彫刻できるわけではありません。
機種によっては、ガラスへ対応していない場合も考えられます。
ガラスの性質上、レーザーを当てることでヒビが入る可能性も否定できません。
例えその問題をクリアしても、思ったように彫刻できないこともあるでしょう。
ガラスを加工できる彫刻機は、高機能な性能を標準で装備しています。
ガラス加工可能なレーザー彫刻機選び
彫刻機を選ぶポイントは6つです。
1.ガラス加工に対応できるCO2レーザー
CO2レーザーは「炭酸ガスレーザー」とも呼ばれ、最も波長が長く、ガラス加工に適しています。
そのため金属加工には向いていません。
目には見えない赤外光で、セラミックや樹脂加工へも利用されています。
波長は10600nm。
この波長の長さからガラスに熱を加え、繊細なデザインも彫刻できるでしょう。
2.出力3,000mw以上
レーザー出力は、エネルギーの大きさと解釈してください。
つまり出力が高ければ、硬さや厚みのある材質でも問題ありません。
さらに出力を調整できるため、デザインによっても調整可能。
ただし、ガラス加工には、3,000 mw以上の出力が必要です。
3.加工エリアの幅
できれば、回転彫刻に対応したレーザー彫刻機がおすすめ!
もちろん加工したいガラス製品によります。
ワイングラスやビールジョッキなど、円筒状の製品は回転させて彫刻します。
「ワンポイントだけ」という場合もありますが、回転させたほうがキレイに仕上がるでしょう。
4.保護カバー付き
レーザーの光から目を守るため、カバー付きを選びましょう。
人工的な光を放つレーザーは、集中して密度の高い状態となります。
医療脱毛に成果があるのも、レーザーのなせる技。
ガラス加工に使用するCO2レーザーは、不可視光レーザーです。
エネルギーも強く波長が長いため、場合によっては角膜を傷つけるかもしれません。
そのため視力低下を及ぼす可能性があり、回復できないことも考えられます。
周囲で見学する人の安全に配慮しても、保護カバーのついた彫刻機にしてください。
5.スマホから操作できる
初めて挑戦するなら、使い勝手の良いレーザー彫刻機を探しましょう。
専用アプリをインストールすれば、スマホから操作できる機種もあります。
もしくはパソコンと接続し、対応できる場合でもかまいません。
機械が得意であれば、デジタル機器に繋がらなくても大丈夫です。
手軽に楽しみたいなら、スマホ対応している機種を選んでください。
6.サイズと重量
重量の軽いレーザー彫刻機をおすすめします。
専用の部屋を用意できない場合、彫刻機を持ち運ばなければなりません。
高性能の機種は、重量50kgの場合もあります。
場所をとるサイズもあるでしょう。
加工作業に部屋を使えないなら、サイズや重量を検討してください。
コンパクトな機種であれば約4.5Kg。
女性1人でも持ち運べるため、候補に入れておきましょう。
ガラスを加工できないレーザー彫刻機
それはズバリ、出力1,500~3,000 mwまでの彫刻機です。
革・プラステック・木材には対応できますが、ガラスを加工できません。
出力の低い彫刻機では、陶器や金属までしか彫刻を施せないのです。
この範囲の彫刻機は多く販売されているため、間違わないでください。
1,064nmのファイバレーザやYAGレーザーは、金属やセラミックへの彫刻。
波長短ければ、ガラスはレーザーを吸収できません。
透明体なので、その辺りも確認しておきましょう。
ガラスにレーザー彫刻機を使う際の注意点
3つの注意点をまとめました。
水で濡らしたティッシュを貼る
レーザーを当てると、表面にヒビ割れが起ることもあります。
それを避けるため、水で濡らしたティッシュで貼り付け、表面温度を下げてください。
どこまで下がるかは水温にもよりますが、ガラス加工のメーカーでも採用されています。
その際、ティッシュペーパーにシワを寄せてはいけません。
細かいデザインには使わない方が良い場合もあるので、臨機応変に対応しましょう。
濡らした新聞紙を貼り付ける
彫刻面をキレイに仕上げるなら、ガラスに濡らした新聞紙を貼りましょう。
通常のレーザー照射では、彫刻面にザラザラした感覚のドットが残ります。
好みにもよりますが、決して触り心地が良いとは言えません。
ツルンとした滑らかさを追求するなら、濡らした新聞紙を貼って試してみてください。
ただし、どちらも丁寧さを求められるので、2つ同時に行うのは避けましょう。
保護メガネやゴーグルの用意
カバーなしの場合は、保護メガネやゴーグルを準備してください。
一般的なサングラスや遮光メガネでは、レーザーの光を遮断できません。
目を守るには、レーザーの透過率を下げることが重要です。
透過率は、光学濃度によって変わります。
光学濃度とは、光りの減衰率を対数表示で表した数値。
光学濃度が高ければ高いほど、減衰率。遮蔽率・透過率も下がるでしょう。
例)CO2レーザー対応の保護メガネ
透過率 |
価格 |
50% |
4,708円 |
70% |
19,800円 |
*メーカーにもよる
まとめ
ガラスに彫刻すれば、オリジナルの記念品を創作できます。
レーザーの種類や出力、波長や加工エリアも確認して彫刻機を選んでください。
ただし、価格面で難しい部分もあるかもしれません。
需要が増えたので、今後は少しずつ価格も落ち着いてくるでしょう。
使用中の注意を守り、楽しみながら彫刻してください。