5000mwのレーザー彫刻機
今回の記事では5000mw(5W)のレーザー彫刻機について解説します。
10万円以下の初心者向け家庭用のレーザー彫刻機はおおよそ200mw辺りから1600mw位が平均で、5000mwのレーザー彫刻機は出力が高い機材に分類されます。
出力が上がる程に出来ることが増えて作業スピードも上がり、レーザー彫刻の可能性が広がります
ちなみに、20万円以上する本格的な家庭用レーザー彫刻機だと10000mw(10W)以上の高出力の機械も存在します。
この記事では、約15万円以下の出力の割に格安で様々な加工が出来るレーザー彫刻機をご紹介します。
5000mw程度の高出力レーザー彫刻機だから出来ることは?
5000 mwのレーザー彫刻機は、それ以下の出力レベルのレーザー彫刻機と比べて「幅広い素材の加工」「素早い加工」が可能となり、その結果「業務用のレーザー彫刻機として使える」ようになります。
幅広い素材の加工
製品によりけりな部分もありますが、5000mwという高出力を生かして他のレーザー彫刻機では実現できなかった素材への加工が出来るます。
例えばCO2レーザーは金属の加工が苦手ですが、5000mwであれば加工出来る場合が多いです。
後にご紹介するLaserPecker 2という製品は石や骨の彫刻も施すことが出来ます。
素早い加工
出力の向上に比例して加工のスピードも上がるので、他の低いレーザー彫刻機と比べて何分の1かのスピードで作品を完成させられます。
業務用のレーザー彫刻機として使える
材料の素材を選ばない素早い加工が出来るので、家庭用に留まらずビジネス用としても活躍する可能性を秘めています。
大見出し 高出力レーザー彫刻機のデメリット
メリットが多い高出力レーザー彫刻機ですが、注意した方が良い部分もあります。
比較的高価格
約10万円以下と出力レベルの割に安い製品もありますが、10万、20万円以上する高価な製品もあり、仮に製品が合わなかったりレーザー彫刻機を使わなくなってしまったらとても勿体無い価格帯です。
もう少し出力レベルが低ければ1万円前後のレーザー彫刻機もあるので、どうしても高価になってしまう点はデメリットの1つです。
取り扱い注意な製品もある
出力の高さから危険に繋がる場合があるので製品の使用時には注意する必要がある製品も中にはあります。
レーザー彫刻機には国際機関である国際電気標準会議(IEC)と日本国内での「レーザー製品の安全基準」(JIS C6802)によってレーザーの安全基準が定められています。
5000mwのレーザー彫刻機の中には、危険度が最高値であるクラス4に値する機材もあります。
ちなみにクラス4のレーザー光は直接の光、拡散反射の光も危険で視力障害や皮膚障害を招く可能性があり火災の危険性もあると認定されています。
購入時にレーザークラスを確認して、使用時にはよく気を付けて事故を未然に防ぐようにしましょう。
高出力のレーザー彫刻機がおすすめな方はこんな人
特に5000mwの高出力レーザー彫刻機は幅広い素材の加工を希望していている人、コストパフォーマンスを重視している人、レーザー彫刻関連のビジネスを始めたいか既に始めている人に特におすすめです。
金属を含めた様々な加工したい人
出力が低いレーザーだと加工に適さない素材がどうしても出てきてしまい、彫刻を諦めなければいけない事があります。
この問題を解決できるのが5000mwのレーザー彫刻機で、製品次第では石も彫刻対象に入るので素材を選ばず多様な彫刻作品を作りたい人にとっておすすめ出来ます。
コストパフォーマンスを重視したい人
5000mwのレーザー彫刻機は価格単体で見ると決して安く無いのですが、コストパフォーマンスを従事し幅広い素材の加工を素早く出来る割に良い製品が欲しいのであればうってつけの選択です。
レーザー彫刻機を使ってビジネスを始めたい・既に始めている人
5000mw以下のレーザー彫刻機でも業務用として使う事は出来ますが、作成に時間が掛かったり、特定の素材の加工が出来ない場合が多いです。
初期費用も比較的抑え目で、5000mwの出力があれば多様な素材の彫刻に対応していて手早く完成出来るのでレーザー彫刻機でマーキングのサービスを始めたい人や自作のDIY製品を販売したい人や既にそれらのビジネスを開始している人にとてもおすすめです。
5000mwのレーザー彫刻機・主要商品をご紹介
現在5000mwのレーザー彫刻機の中でコストパフォーマンスが良く、人気の商品が3つ有り、全てクラウドファンディングによって資金を集めて作られています。
3つともそれまでのレーザー彫刻機の常識を覆す程に高性能で低価格です。
LaserPecker 2
クラウドファンディングで2億円以上集めたモンスタープロジェクトです。
前作のLaserPeckerも非常に人気があったのでその改良版であるLaserPecker 2にも高い期待が寄せられた結果と言えます。
LaserPecker 2の最高彫刻速度は600mm/sと非常に高速で、彫刻位置を決める為のプレビューは3750mm/sですぐに確認する事が出来ます。
補助ブースターも充実していて、円柱状の素材に対して360°回転させながら彫刻作業が出来ます。
どんなレーザー彫刻機も苦手とする素材があるのがほとんどですが、LaserPecker 2は木材やアクリル、紙やセメントから金属や石や骨といった硬度の高い素材にも彫刻が出来ます。
価格は取り扱っている会社によって変動が有り10万円程度から15万円辺りが現在の相場です。
HyperLaser
米国の会社がクラウドファンディングで出資を募り、作られた製品です。
日本でも目標金額が50万円の所、約180万円を集め大成功でした。
HyperLaserは出力が高いだけで無く、表面に凹凸があったり曲線の面といった加工が難しいとされる素材にも対応しています。
また、刻印の速度が最高6000mm/分と非常に早いので、ワイングラスへの刻印が48秒、木製のコースターのマーキングが30秒、円柱のコーラ缶の彫刻も約6分で完成します。
制御ソフトはアプリを通してスマホで出来る手軽な面も魅力です。
レーザー出力が強い反面、米国の国際電気標準会議(IEC)および日本のJIS C6802が定めている安全基準のクラス4(危険度最高クラス)に分類されます。その為直接レーザー光が目や皮膚に入ると大変危なく、反射光であっても同様の危険があり、火災に繋がる危険性を秘めているので取り扱いには厳重な注意が必要です。
価格は88,390円と高性能ながら10万円を切っているで初心者の方にもお買い求め易い価格設定です。
Runmecy
こちらもクラウドファンディングから誕生した製品で、現在の価格が約6万円以下と他の2製品と比べて一番安いです。
5000mwの高出力を生かした包丁やドッグタグといった金属加工への名入れや印象の作成といった他のレーザー彫刻機では難しかった工作を得意としています。
現在Runmecy D4という新しいプロジェクトが始動していて、こちらはレーザー光の細さが0.01mmと精細な表現が出来る仕様になる予定です。
Runmecyを検討されている方は少し待ってみても良さそうです。
まとめ
5000mwのレーザー彫刻機は性能の割には安くて幅広い素材に適用出来るので、使い方にさえ気をつければ意外に初心者の方にも向いているようです。
しかし、割合高価で火災や失明といったリスクも有る部分には留意しておく必要あります。
それらの注意点に気をつければ、他の彫刻機では出来なかったような自由なデザイン設計が広がるので長くレーザー彫刻機を使う予定の方や商業用に活用したい方にとって5000mwのレーザー彫刻機はおすすめです。
今回の記事の中ではご紹介した3つのレーザー彫刻機以外の製品は20万円以上するものが多く相場価格はその位なのだと思われます。
LaserPecker 2、HyperLaser、 Runmecyはそれぞれクラウドファンディングで資金を募って出来た製品で、裏を返せば15万円以下の安くて機能性の高い5000mwのレーザー彫刻機はクラウドファンディングで資金を募らないと製作・開発・販売が難しいという事ですね。
Runmecyがちょうど新しく、より高性能な新製品を開発しているようにレーザー彫刻機におけるクラウドファンディングは小さなブームでもあるようで、次々と新しい製品のプロジェクトが立ち上がっているようなので、注目してみると中々面白そうです。
他の記事で国内の会社が製造しているレーザー彫刻機を紹介していますが、そこで紹介した製品よりも、今回紹介した3つの製品の方が、少し高価格ですが初心者の方にも適した製品かもしれません。
既にレーザー彫刻機は使った事があって使用も危険性もその対策方も分かっていて、作品の幅を広げたい方にとって、5000mwの彫刻はとてもにおすすめです。