レーザー彫刻機を使うことで、ものづくりの幅が広がります。細部まで細かく彫刻ができるので、思い通りのデザインを施すことができるのも大きな魅力です。しかし、、レーザー彫刻というと、なんだか難しそうというイメージを持っている人も多いのが現状です。
レーザー彫刻というとプロの技術がないとできないと思われがちですし、専門の業者にお願いしないとできないと思っている人も多いでしょう。確かに、少し前までは業務用の機械しかなく、プロが使うのが一般的でした。
しかし近年では、一般向けのレーザー彫刻機が開発され、普及してきています。一般向けのレーザー彫刻機ではプロ用の業務用彫刻機ほど精巧に作ることはできないものの、小型で使いやすく、軽量なので持ち運びもしやすいというメリットがあります。
ということで今回は、レーザー彫刻機を一般の人が使う際のポイントについて紹介していきます。レーザー彫刻機を買ってみたものの使い方がよくわからないという人や、自分でもレーザー彫刻機を使ってみたいという初心者にもおすすめなので、チェックしてみてください。
レーザー彫刻を施すまでに主な流れ(機材共通)
レーザー彫刻機を使って作業を行うためには、どのようなプロセスを踏めばいいのでしょうか。段階を踏んで紹介していきます。
レーザー加工用データを作る
まず、レーザー加工で使うためのデータを作成しましょう。レーザー彫刻は基本的にどんな素材でもデザインをすることができるので、まずは好みのデータを作成することが大切です。
レーザー加工するためのデータは、IllustratorやCorelDRAWなどのグラフィックソフト(画像処理ソフト)を使って作成します。また、CADソフトで作成したデータもレーザー加工用として使用が可能です。
写真やロゴ、テキストデータやグラフィックデザインを彫刻したいという人もいるでしょう。基本的にデジタルデータであれば彫刻することは可能なので、写真なども可能です。また、手書きのイラストに関しても、スキャンをしてデジタルデータにすればOKです。
レーザー彫刻について、初めてでよくわからないという場合には、イラストレーターやデザイナーなど詳しい人がいるので、任せたり聞いてみたりすると良いでしょう。
レーザー出力設定
レーザーの加工用データが出来上がったら、今度はレーザー彫刻機の出力設定を行いましょう。レーザー彫刻機では、光線の強さとスピードが仕上がりに大きく影響します。業務用のレーザー彫刻機はこの二つの性能が良くできており、仕上がりも大変綺麗です。一般向けのレーザー彫刻機は業務用の製品に比べると性能としては劣ってしまいますが、数値が高いものを選べば比較的高品質な作品を作り出すことはできます。
機械を選ぶ際には、「パワー」「スピード」の2つの設定値をチェックしましょう。高いから良いという問題ではなく、調整の幅が広いものが良い製品です。なぜかというと、材料に応じて出力やスピードを調整する必要があるからです。素材に適した出力を設定しないと、結果的に見た目が悪くなってしまうこともあるので、気をつけましょう。
機械のメーカーによって各材料のパラメーター値というものが定められているので、こちらもチェックしておきましょう。材料によって、どのように出力されるのかということも個体差があります。そのため、本番をいきなり実践するのではなく、まずはテストで彫刻してみて調整することが大切です。
加工材料を設置する
レーザー彫刻機の出力設定ができたら、加工材料を設置しましょう。加工するための材料はたくさんあるので、自分が好きなものを選んでみると良いでしょう。木製、革製、ガラス製、金属製など、様々な素材があるので、出力も素材に合わせておくことが大前提です。
まずは何度かテスト彫刻をして、彫刻の出方を見ながら綺麗に彫れるまで調整していきましょう。
レーザー加工をする
加工材料をセッティングしたら、いよいよレーザー加工の段階です。出力設定が終わったら、レーザー彫刻機に彫りたいデータを転送します。データの転送はさほど時間がかからないので、準備ができたらスタートボタンを押しましょう。
レーザー彫刻中は、一時停止をしたり、中断することも可能です。ただ、出力設定は彫刻の途中で変えることはできません。
レーザー彫刻を施す為に必要なモノ・データ等
レーザー彫刻を行う際に必要なデータとしては、デジタルデータが基本です。生地は基本的にどんなものでも対応しているので、あまり気にする必要はありません。IllustratorやPDFのデータであれば比較的すんなり彫刻できますが、Photoshopやjpgなどの画像データの場合は、対応していない機器もあるので注意しましょう。
レーザー彫刻に必要なものとしては、データと生地があればOKです。あとは彫刻機にデータを転送してスイッチを押せばOKなので、特別な操作は必要ありません。
レーザー彫刻機を購入するという選択と依頼する選択
レーザー彫刻機は、業者向けに開発されているものと、一般向けに販売されているものがあります。どんな仕上がりにしたいのか、またどんな風に利用したいのかによって、自分に適したものを選ぶと良いでしょう。
まず、プロ級の仕上がりを求めているのであれば、プロに任せて業務用のレーザー彫刻機で彫刻をしてもらうのがおすすめです。プロの機械であれば性能が一般向けのものとは段違いなので、より高品質な仕上がりになります。
自分で加工するのが難しい素材などの場合には、プロに任せた方が安心できる場合も多いです。また、業務用のレーザー彫刻機は一般向けのものと比較しても出力が高いので、厚みのあるアクリル板などにも対応できます。ただ、素材は自身で持ち込まなければならないことも多いので、あらかじめ頭に入れておきましょう。
一方、一般的なレーザー彫刻機であれば自分で購入して使うこともできます。一般向けのレーザー彫刻機は、何といってもバリエーションが豊富なのが大きな魅力。また、業務用のものと比べて価格もリーズナブルです。
軽量で持ち運びにも便利なので、自宅外に持ち出して使いたいという時にも便利。また、Bluetoothに対応していて、スマホからの操作ができるものもあります。業務用のレーザー彫刻機には劣りますが、薄型のアクリル板などであれば十分加工が可能です。
まとめ
今回は、初心者に向けたレーザー彫刻機の使い方について紹介してきました。レーザー彫刻機は今や、一般向けにも普及しているので、気軽に利用できるのが大きなメリットです。使い方も簡単で、材料をセットしたらあとはスイッチを押すだけなので、初心者でも負担を感じることなく利用できます。
性能の面で言えば、どうしてもプロ仕様の製品には劣ってしまいますが、それでも十分活用することはできます。スマホでも利用できるものなど、一般向けならではの使い勝手の良さを魅力として全面に出している製品も多いです。持ち運びできるものは、レーザー彫刻機を身近に感じる良いきっかけとなるでしょう。
初心者でもレーザー彫刻機は気軽に、簡単に利用できるので、これから購入を検討している人は、ぜひチェックしてみてください。自分の使いやすいレーザー彫刻機を見つけて、製品の加工を楽しみましょう!