レーザー彫刻後の色入れをキレイにおこなうコツをわかりやすく解説

本日はレーザー彫刻後の色入れについて解説します


レーザー彫刻は半永久的に残る名入れ、手彫りでは不可能な小さい文字を正確に実現できる特徴があります。レザー彫刻を施したアクリルや木材なら、専用の塗料で加工すれば好きな色を入れられます。


しかし、「レザー彫刻後の色入れをキレイにするコツはあるの?」「レーザー彫刻後の色入れにおすすめの塗料はある?」などの疑問が出てくるでしょう。レーザー彫刻への色入れ経験がない場合、色ムラが発生したり、塗料がひび割れたりします。


そこで本記事では、レーザー彫刻後の色入れでよくある失敗パターンやキレイに色入れを行うコツについて解説します。レーザー彫刻の色入れにおすすめの塗料についても解説しているため、気になる方は是非チェックしてみてください。

よくある色入れの3つの失敗パターン

レーザー彫刻後に色入れを行う場合、下記のような失敗パターンが発生することがあります。


  • 彫刻が浅く色が付きづらい
  • レーザー彫刻に適していないアクリルを使用してしまった
  • 生地をレーザーで焦がしてしまう

それぞれが発生した原因と解決策について解説します。

失敗1:彫刻が浅く色が付きづらい

レーザー彫刻後に色入れを行う場合、通常よりも深く彫刻する必要があります。彫刻が浅いとスミ入れ時に上手く色が入らない可能性が高いです。彫刻の浅さは、レーザーの出力が弱く、移動速度が早いことが原因と考えられます。


彫刻が浅い状態で無理に色を入れようとすると、塗りムラが発生してしまい、彫刻した文字の内容がわからなくなってしまうため注意しましょう。


また、レーザー彫刻後の色入れは、スプレーもしくは筆やブラシ(ハケ)で行います。万が一、レーザー彫刻が浅い場合、筆やブラシを用いた色入れがおすすめです。特に毛が多い筆を使用することで、彫刻にしっかりと色をつけることができます。


レーザー彫刻後に色入れを考えているなら、出力を強めてゆっくり掘ることが重要です。ただし、レーザー出力が強すぎると、照射した箇所にヤニが発生するため、汚れないようにマスキングしておきましょう。

失敗2:レーザー彫刻に適していないアクリルを使用してしまった

レーザー彫刻に適していないアクリルを使用した場合、レーザー照射部分が白くなりません。レーザー彫刻には「キャストアクリル」と「押出アクリル」の2種類が用いられます。レーザー彫刻後にしっかりキレイに色入れをしたい場合は、キャストアクリルがおすすめです。


キャストアクリルはレーザー彫刻を施した部分が、白くキレイに仕上がります。熱処理した後はツルツルの状態となるため、スムーズに色入れが可能です。レーザー彫刻後に上手く色入れができない場合は、使用しているアクリルの種類を確認してみると良いでしょう。


また、使用するアクリルに合わせて塗料も選択しましょう。基本的にスミ入れ方式でアクリルへ色入れする際は、水性塗料が最適です。ただし、彫りの深さやデザインによってはスプレーの方が適していることがあるため、あらかじめ注意しましょう。

失敗3:生地をレーザーで焦がしてしまう

レーザー彫刻機で生地を焦がしてしまうと、キレイに色入れができなくなってしまいます。特にデニムやレザーなどの素材に色入れを施す場合は、レーザーの温度に注意が必要です。


レーザーで素材を焦がさないためには、いきなり彫刻を始めるのではなく、適切な温度をチェックすることが重要です。素材テストを実施した後、焦げが見られない場合は、最適な仕上がりになるまで出力を上げてみると良いでしょう。


また、衣類にレーザー彫刻する際は、色入れの難易度がアクリルよりも上がるため、何度か素材テストが必要です。最適な出力でレーザーを照射しなければ、色入れに適した深さになりません。生地の状態を把握した上でレーザー彫刻を施すことで、色入れの失敗を防げるでしょう。

キレイに色入れを行うための3つのコツ

レーザー彫刻後にキレイに色入れを行うためには、以下3つのコツを抑えておきましょう。


  • アクリルをマスキングで覆う
  • 色入れの準備を整えておく
  • 数回に分けて色入れを行う
  • アルコールや綿棒を使い塗料を拭き取る

それぞれ順に解説します。

色入れの準備を整えておく

レーザー彫刻後に色入れを行う際は、できる限り準備を整えておきましょう。加工前の準備が整っていない状態で作業を進めると、キレイに色入れできない可能性があります。アクリルに色入れ前を行う場合、必要な準備は以下の通りです。


  • アクリル板
  • 色入れ用の塗料(水性アクリル塗料)
  • 筆・ハケ
  • ヘラ
  • アルコール(消毒液でもOK)
  • マスキング
  • ウエス(新聞紙・ティッシュでも代用可能)

これらの準備をしておくことで、彫刻後キレイに色入れが可能です。

アクリルをマスキングで覆う

レーザー彫刻・色入れの準備ができた後は、実際にアクリルへ彫刻を施します。そのままアクリルを彫刻してしまうと、気化した煙がヤニとなり付着してしまうため、マスキングテープで全体を覆いましょう。マスキングテープでアクリルを養生しておくことで、些細な傷も防ぐことができます。


また、新品のアクリル板に薄いビニールの保護シートが貼ってありますが、マスキングに張り替えることがおすすめです。レーザーの温度によってはビニールがアクリルの上で溶ける可能性があるため、マスキングテープに張り替えておきましょう。


ただし、レーザー彫刻機の裏面にマスキングを貼り付けると発火する恐れがあります。彫刻機にオフセットピンテーブルを使用して、テーブルから浮かせた状態で彫刻がおすすめです。

数回に分けて色入れを行う

アクリルのレーザー彫刻が完了した後は、塗料を彫り部分に入れやすいようマスキングテープを剥がして中性洗剤で洗い流しましょう。中性洗剤がない場合は、塗料カスがついていることもあるため、水で流すだけでも効果があります。


アクリルを水で洗い流した後は、数回に分けて色入れを行いましょう。アクリルへの色入れは筆に塗料を付けて塗装を行います。塗装を行う際は、色ムラが出ないように底面だけではなく側面も塗料を伸ばしましょう。


また、色入れの際は底面に残った塗料を側面に引き上げるイメージで塗り込むことで、キレイな仕上がりになります。塗料は一度だけで塗るのではなく、少ない塗料を何度も塗り広げることで、彫り部分の輪郭がはっきりと浮かび上がります。塗料が彫り部分全体に塗り広がったのを確認できれば、色入れは完了です。

アルコールや綿棒を使い塗料を拭き取る

彫り部分に入れた塗料が乾燥したのを確認した後、拭き取りを始めます。綿棒にアルコールを含ませて、彫りからはみ出した部分を中心に塗料を取り除きましょう。色入れの際と同様に少量のアルコールを綿棒に含ませて、数回拭き取ることでキレイに取り除くことが可能です。


また、塗料を落とす際はできるだけ濃度の低いアルコールがおすすめです。IPAなどアルコール濃度の高い成分を使用すると、アクリルにひび割れが発生するリスクがあります。濃度の高いアルコールしかない場合は、水で希釈して使用しましょう。


彫りのはみ出た部分から塗料を取り除いた後は、ティッシュやウエスで汚れを取れば、色入れ完成です。

レーザー彫刻後の色入れに使用する塗料について

レーザー彫刻後の色入れに使用する塗料は、アクリル系の水性塗料がおすすめです。ラッカー系や油性塗料でもレーザー彫刻に色入れができるものの、塗る量を誤るとひび割れを起こす可能性があります。


水性塗料であれば、塗り広げる量が多少多くてもひび割れや傷が発生するリスクを抑えられます。水性なら塗料が完全に乾けば耐水性となるため、アクリルを屋外に出していても長期間破損することなく使用可能です。希望の色がない場合は調色することで、レーザーならではの色味を表現できるでしょう。


また、スミ入れ方式で色を入れる場合は、100均で販売しているアクリル系の水性塗料で問題ありません。水性塗料は乾く前の修正もしやすいため、初めてレーザー彫刻の色入れに挑戦する場合でもおすすめです。


ただし、彫刻が浅い場合、塗料が残って欲しい部分までアルコールが染みるため、色ムラが発生してしまいます。色入れ中に彫刻が浅いと感じた場合は、完全に塗料が乾くのを待ち、爪楊枝など先の細いものを用いて調節しましょう。

まとめ

以上、レーザー彫刻後の色入れでよくある失敗パターンやキレイに色入れを行うコツについて解説しました。


レーザー彫刻後の色入れは、準備が不足していたり、彫刻が浅かったりすると失敗してしまいます。レーザー彫刻に適していないアクリルを使用した場合でも、色むらが発生してしまうため、準備が非常に重要な作業と言えるでしょう。


また、アクリルを彫刻する際はマスキングで養生したり、数回に分けて色入れしたりすることでキレイに塗料が定着します。色を落とす際も一気に塗料を剥がすのではなく、爪楊枝や綿棒を使うことで、ひび割れや傷を発生させる心配もありません。


レーザー彫刻後の色入れは準備を整えて焦ることなく、ゆっくり作業を進めることでキレイに仕上がります。これからレーザー彫刻に色入れをしたいと考えている人は、本記事を参考に作業を進めてみてはいかがでしょうか。

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