DIY人口が増えると同時に、安いレーザー彫刻機も目立ち始めました。
「こんなに安くて大丈夫?」「ちゃんと使えるの?」
そんな疑問にお応えし、ここでは安いレーザー彫刻機のチェックポイントをご紹介します。
購入前の確認にお役立てください。
安いレーザー彫刻機の相場
「高い」「安い」は、人によって感覚も違います。
そのため受け止め方は異なりますが、まずは安いレーザー彫刻機の相場を見てください。
Smartlife レーザー彫刻機 |
NEJE ミニレーザー彫刻機 |
Ruoclris ポータブル彫刻機 |
RATTMMOTOR 3 |
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17,900円 |
15,800円 |
18,900 円 |
17,499円 |
1.29kg |
不明 |
1.52kg |
5.22kg |
PC・スマホ対応可 |
デジタル機器不可 |
スマホ対応可 |
デジタル機器不可 |
3,000mw |
500 mw |
3,000mw |
12,000mw |
範囲80×80mm |
範囲30×38mm |
範囲98×88mm |
範囲180×100mm |
*参考価格(2022年現在)
他にも2万円以下の彫刻機はありますが、比較的安い4つを並べました。
平均価格は17,525円。
高いイメージも先行しがちですが、ご覧のように手軽に買えるレーザー彫刻機もあります。
安い機種は、海外製である場合が多いです。
製品は日本から発送されることもありますが、詳細な説明書は付属されないかもしれません。
そのため動作環境に疑問があれば、販売元へ問い合わせてください。
レーザー彫刻機の値段は何で決まるのか?
レーザー彫刻機の価格は、メーカーによって異なります。
それを前提に置いた上で、4つのポイントに注目しました。
1.レーザーの種類
一般的には、ファイバー→CO2→YAGの順に高いです。
ファイバーレーザー |
CO2レーザー |
YAGレーザー |
初期費用が高い |
最も一般的 |
医療・美容分野でも使用 |
ファイバーレーザーはエネルギーの変換効率が高く、光軸も安定しています。
細かく表面積の大きいファイバが高出力を可能にし、品質の高いレーザーを照射。
そのためCO2レーザーより、約1.5倍の高値で販売されています。
2.出力の違い
出力が高ければ高いほどスピードもあり、深い部分まで彫刻できます。
出力の低い彫刻機は、素材によって対応できません。
例)出力による対応素材
出力 |
対応素材 |
1,600mw |
木材・セラミック・ボール紙・竹・革・ゴム・プラスチック |
3,000mw |
1,600mwの素材に加え、陶磁器・ガラス・石・玉、アクリル |
4,000mw |
3,000mwの素材に加え、シリコン、合板、MDF、織物、ホーン |
*機種による
3.対応デバイスの違い
デジタル機器と接続できない彫刻機は、どちらかと言えば低価格かもしれません。
最近の傾向としては、スマホ・タブレット・パソコン操作可能な機種は高めです。
4.加工エリアの幅
彫刻機の機種によって、加工エリアには違いもあります。
筆記用具やコースター、スマホケースへのワンポイントであれば、それほど幅は必要ありません。
50×50mm、80×80mm程度で充分です。
ただし、彫刻が広範囲に及ぶなら、410×400mm程度まで対応可能な彫刻機が理想。
スノーボードなどを彫刻する場合は、まさに加工エリアの幅を求められます。
レーザー彫刻機の値段には、付属品が含まれるケースもあるでしょう。
レーザーの種類・出力・デバイス対応・加工エリアの違いで、機能を分けられます。
高機能であればあるほど、価格が高くなる点は家電と同じです。
業務用と家庭用の違いについて
業務用と家庭用は、用途によって区別しても良いかもしれません。
業務用 |
家庭用 |
企業のノベルティグッズ製作 飲食店やホテルへ納入する販促品 |
個人的な趣味の範囲 友人や家族へのプレゼント演出 |
業務用は価格も高めですが、出力も高く動作環境に優れています。
そのためスピードも重視され、たくさんの彫刻を施せます。
本体は高額でも、ランニングコストは低いでしょう。
ほぼすべての材質に対応しているため、より完成された彫刻を目指せます。
家庭用は低価格です。
コンパクトな卓上タイプが多く、持ち運びに困りません。
財布やアルバム、マグカップやタンブラーなど、身近な対象物に彫刻できます。
スマホに連動する機種が多く、操作性もシンプル。
ただし、透明なアクリルや金属など、対応できない素材もあります。
価格の安いレーザー彫刻機は家庭用
家庭用の彫刻機は低価格です。
そのため機種によっては、いくつかのエラーも発生するかもしれません。
考えられるデメリット
・ZX軸ユニットが動作しない
・取り扱い説明書を読んでも理解できない
・画像がアップロードできない
・スピードが遅い
・Windows10と11に対応していない
・可動域が小さい
安いレーザー彫刻機のすべてに不具合があるわけではありません。
しかし、メーカーによっては対応が遅く、動かしづらさも残るでしょう。
見た目のスマートさやデザイン性は抜群。
その反面、精度の正確性や内容の充実度は、人によって判断が分かれます。
失敗例
①生地に彫刻して素材を焦がす
②アクリル彫刻でつや消しできない
③ガラスへの彫刻はラインが薄い
④木材への彫刻はコントラストが生まれない
機種にもよりますが、使い慣れなければ思ったような彫刻が完成しません。
場合によっては、「安いから仕方ない」という気持ちに追い込まれます。
価格重視で彫刻機を探すにしても、しっかり機能を確認してください。
安い機種を選ぶ場合は、実際に使用した人の口コミも読んでみましょう。
家庭用だとできない事
機種にもよりますが、できないことを並べてみました。
・厚みのあるアクリルやガラスへの彫刻
・ステンレスなど金属への彫刻
・加工エリアの大きな彫刻
・素材を回転させて彫刻する
出力が弱いため、素材によっては彫刻できません。
家庭用でもガラスへ彫刻できますが、対応できる厚さには限界があります。
コンパクトさや軽さを特徴とするため、加工エリアも限定的。
大きなデザインを彫刻しようと思ったら、ある程度の価格を想定したほうが良いでしょう。
業務用でも、ポリ塩化ビニールや鏡面素材は、ほぼすべての機種で彫刻不能です。
(ポリ塩化ビニールは有害ガス発生の可能性/鏡面はレーザー反射による人体への影響)
低価格の彫刻機には、回転軸が付属されていません。
そのため円柱や円錐に対応不可。
少しずつ素材の位置をずらしながら、レーザーを当てることで彫刻します。
しかし、回転軸がなければ、曲線に対する安定性は担保できないでしょう。
ラインがずれる。間違った場所に彫刻する。デザインが壊れる。
平面にしか対応できないので、彫刻できるモノも限られます。
ここであげたデメリットは、低価格の家庭用レーザー彫刻機です。
ワンランク上の機種を買えば、対応可能な場合もあります。
業務用レーザー彫刻機の利点
業務用レーザー彫刻機は、耐用年数も長く、対応できる素材も豊富です。
そのため多くの業界に採用され、販促品に彫刻が施されているでしょう。
使用例)
・シールやラベル製作業界
・アパレル業界
・金属加工業界
・印刷や紙工業界
・看板やディスプレイ業界
あらゆる素材に対応できるため、家庭用にはない高品質を保ちます。
業務用は、DIYを想定した製品ではありません。
ビジネス上に必要な彫刻を施す機械。
家庭で使う仕様と違ってハイグレードです。
わかりやすいメリット
・加工エリアが広い
・高速で彫刻できる
・複雑なデザインにも対応できる
・メンテナンスやサポート体制が充実している
趣味の範囲を越える。本格的な彫刻を導入したい。
個人でも業務用を購入できます。
どちらを買うにしても、用途に合わせて選んでください。
まとめ
値段の安いレーザー彫刻機は、趣味レベルに対応します。
レーザーの種類や出力、対応デバイスや加工エリアを確認しましょう。
家庭用の場合は、できない事もあるため注意してください。
価格はもちろん重要。
ただし、安さだけではなく、機能を見落とさないようにしましょう。