「レーザー彫刻って、どのようなものなんだろう」
「レーザー彫刻機を購入しようと思っているけれど、どれがいいのかな」
と悩んでいませんか?
レーザー彫刻とは、レーザーの熱エネルギーを使って対象物に彫刻をする方法です。
レーザー彫刻でできることなどを知っていなければ、レーザー彫刻機を購入しても無駄になる可能性があります。
この記事では、レーザー彫刻の解説や料金の相場、使い方などを解説します。
おすすめの機種なども解説するので、購入を検討している方も参考にしてみてください。
レーザー彫刻とは?
レーザー彫刻とは、レーザーの光が放つ熱エネルギーで彫刻をする方法です。
木材やアクリルなどさまざまな素材に刻印ができます。
入れられるのは文字だけではなく、ロゴやイラストなども可能です。
さまざまな素材に好きなデザインができることから注目されている加工方法です。
以下では、どのような仕組みで彫っていくのか。
さらにレーザー彫刻に見られる特徴を解説していきます。
レーザー彫刻の仕組み
レーザー彫刻機は、光の熱エネルギーで彫刻をします。
レーザー彫刻機には、光線を作るための発振装置が付いています。
発信装置から機械の内部に取り付けられているミラーに光を反射させ、その後レーザーヘッドから光を照射することで、刻印できるようになるのです。
レーザー光線が、素材を溶かして彫刻できる理由は、光の波長にあります。
太陽光にはさまざまな色があり、1色ごとに波長が異なります。
波長が揃っていないため、物に当たっても熱で溶けることはありません。
しかし、レーザーから出ている光は、単色性に優れています。
波長が揃うため、熱エネルギーの威力が増して、対象物を溶かして加工できるのです。
このような仕組みで、レーザー彫刻ができます。
レーザー彫刻の3つの特徴
レーザー彫刻には、以下の3つの特徴があります。
- 入れたデザインが半永久的に残る
- 繊細なデザインも入れられる
- 素材を生かした色合いを出せる
レーザー彫刻の特徴を知っておくことで、自分の理想とする加工ができるか判断できます。
特に家庭用のレーザー彫刻機の購入を検討している方は、以下を参考に検討してみてください。
入れたデザインが半永久的に残る
レーザー彫刻は、対象物に直接刻印する加工方法です。
彫刻された部分は、摩擦に強く半永久的に残ります。
特に木製の素材に刻印する場合、レーザー彫刻特有の風合いを楽しみながら、オリジナリティのある作品に仕上がるのです。
インクを使用する方法だと、使っていると印刷した部分が徐々に剥がれてしまいます。
さらに、全て同じ色で印刷されてしまうため、風合いを活かした作品に仕上げることは難しいです。
長く使ってほしいものや個性的な作品を作りたいときにレーザー彫刻は向いています。
繊細なデザインも入れられる
レーザー彫刻機から出る光の細さは、0.1mmです。
機械で彫っていくため、人の手では再現できないくらいの細かいデザインやイラストなども対応できます。
例えば、毛を1本1本丁寧に描いた動物のイラストや似顔絵なども刻印できます。
細かいデザインを彫って、オリジナリティのあるものを作りたいと考える方は、レーザー彫刻の加工がおすすめです。
素材を生かした色合いを出せる
レーザー彫刻機は、素材を生かした色合いを出せる特徴があります。
例えば、木材であれば焦げた色やアルミ製品は白色等です。
レーザーで加工することで、素材ごとに違った色合いを楽しめます。
また色の出方は、照射時間や温度などで変化することも。
実際に自分で何度か試して照射し、自分の好きな色合いを見つけることも楽しむ方法の1つです。
レーザー彫刻の概要については、以下の記事でも解説しています。
詳しく知りたい方は、参考にしてみてください。
関連記事:レーザー彫刻とは?仕組みと出来る事についてわかりやすく解説
どんな素材にレーザー彫刻できるの?
レーザー彫刻ができる素材は、以下のものです。
- 金属:アルマイト・ステンレス・チタニウムなど
- 樹脂:アクリル・ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレンを合わせたもの)・ポリエチレンなど
- 木材:単板・合板・硬質繊維板など
- その他:ガラス・石・布・紙・食品など
これらの素材には、レーザー彫刻ができます。
機械によっては、出力数が足りずに刻印できないこともあるため、説明書をよく読み、テストをしてから加工しましょう。
レーザー彫刻を会社に依頼する場合は、事前に問い合わせてから依頼してみてください。
レーザー彫刻ができない素材もあるため注意
レーザー彫刻は、どんな素材でも彫れるわけではありません。
加工ができない素材は、以下の2つです。
- 有毒ガスが発生する素材
- レーザー光線が反射される素材
塩化ビニールやテフロン、フッ素などの素材は、加工ができません。
なぜなら有毒ガスが発生してしまうためです。
特に塩化ビニールを加工した場合、機械も酸化されて樹脂パーツが壊れてしまう可能性があります。
素材が危険なものか見分けがつかない場合は、まず少し燃やしてみましょう。
刺激臭や煙が黄色くなっている場合は、塩素を含んでいる可能性が高いです。
さらにレーザー光線が反射される素材も加工ができません。
例えば、鏡や鏡面仕上げされた金属などです。
これらを加工すると、レーザー光線が内部に反射するため、故障の原因になります。
説明書には、加工ができない素材についても記載されているため、よく読んだ上で加工しましょう。
加工する素材が布やレザーの場合は、以下の記事を参考にしてみてください。
関連記事:布やレザーにレーザー彫刻を施す方法と注意点を解説
レーザー彫刻を依頼する際の料金相場は?
レーザー彫刻を依頼する際の料金相場は、2,000〜10,000円程度です。
相場に幅がある理由は、以下の条件によって金額が変動するためです。
- 加工するもの
- 加工オプション
- 企業の料金形態
時計に加工するか、ライターに加工するかなど対象物によって料金は変動します。
企業によって加工できるものも変わってくるため注意が必要です。
そして加工オプションによっても、金額が変わってくるのです。
例えば、通常よりも深く彫ってもらう場合は、料金に1,000円プラスされます。
さらに加工部分に色を入れる場合も、料金が上乗せされます。
加工オプションが加わると、金額も変わってくるのです。
またレーザー加工は、企業によって金額設定がさまざまです。
例えば、基本料金を照射する時間で算出していたり、加工するものと刻印の文字数で料金を決めていたりします。
企業によって金額に差があるため、見積もりは複数社依頼するのが無難です。
比較するときには、相場と合っているかチェックしましょう。
相場について詳しく知りたいかたは、以下の記事を参考にしてください。
関連記事:レーザー彫刻を依頼する時の料金相場を徹底調査!
家庭でもレーザー彫刻はできる?
家庭でもレーザー彫刻はできます。
現在では、家庭用のレーザー彫刻機が売られています。
家庭用の彫刻機の特徴は、コンパクトなことです。
本体が10cm以下で、重さも1kg以下の機械もあるため、持ち運びにも便利です。
自宅で手軽にレーザー彫刻を楽しみたい方は、家庭用の機械を購入してみましょう。
価格は安いものでは10,000円〜販売されています。
高いものでは、60,000円程度です。
予算と加工できる範囲を比較しながら、自分に合ったものを購入しましょう。
レーザー彫刻機の業務用と家庭用の違いを詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
関連記事:業務用のレーザー彫刻機と家庭用との違いについて徹底解説!
レーザー彫刻機の使い方
レーザー彫刻機は、以下のステップで使用しましょう。
1. データを作成する
2. レーザーの出力を設定する
3. 加工素材の設置をする
4. 加工をする
レーザー彫刻機の使い方がいまいちイメージできない方は、以下を参考にしてみてください。
それぞれのステップごとに解説します。
1.データを作成する
まずはデータを作成する作業からです。
レーザー彫刻機指定のアプリをインストールします。
そこに画像データを取り込んでいくのです。
画像データは、IllustratorやCorelDRAWなどで作成ができます。
もしも難しいと感じる場合は、Illustratorなどのソフトが使える方などに相談するのがおすすめです。
基本的にレーザー彫刻機は、どんなデザインでも彫刻ができます。
自作のイラストなどもパソコンにスキャンすれば、刻印できるため好きなデータを準備しましょう。
2.レーザーの出力を設定する
レーザー彫刻の出力設定をします。
基本的には、パワーとスピードを設定できます。
中には、出力数だけを設定するレーザー彫刻機もあるため、説明書を見ながら設定していきましょう。
紙などの素材は、出力数が高いと穴が空いてしまいます。
対して木材やレザーなどは、出力を強くできますが、細かいデザインの場合、潰れてしまう可能性があります。
素材の余っている部分などに何度かデザインを彫刻して、自分好みの風合いを見つけてから彫刻しましょう。
3.加工素材の設置をする
加工素材を設置します。
加工機と対象物の位置を合わせましょう。
加工したい場所に、マスキングテープなどで印をしておくとズレを防げます。
4.加工をする
加工をするときには、データをレーザー彫刻機に転送します。
基本的には付属のアプリを使用して、転送していきます。
データの転送に時間はかかりません。
準備ができたら、スタートボタンを押してそのまま待ちます。
レーザーを直接見るのは危険なため、保護メガネを必ず装着してください。
途中で止めたい場合は、一時停止をして中断させることも可能です。
レーザー彫刻機の使い方について、詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてみてください。
関連記事:初心者向け!レーザー彫刻機の一般的な使い方を解説します
おすすめレーザー彫刻機3選
ここからは、おすすめのレーザー彫刻機を3つ解説します。
1. Snapmaker 2.0 A350
2. TAKIMI レーザー彫刻機
3. LaserPecker2 小型レーザー刻印機
家庭用のレーザー彫刻機がほしいけれど、どれを選べばいいのかわからないと悩む方は、以下を参考にしてみてください。
1.Snapmaker 2.0 A350
引用:Amazon「Snapmaker 2.0 A350」
3Dプリンターとしても活用できるのが、「Snapmaker 2.0 A350」です。
レーザー彫刻は、レザーや布、透明のアクリル板を使った加工ができます。
レーザーは出力を調整すれば、カットもできるため、加工の幅がより広がるでしょう。
初心者でも簡単に組み立てられるため、機能が豊富で、操作性が高いレーザー彫刻機を探している方に向いています。
メーカー | Snapmaker |
価格 | 170,000円 |
加工範囲 | |
レーザー出力 | 1600mW |
加工ができる素材 | 布/木材/レザー/アクリル |
2.TAKIMI レーザー彫刻機
引用:Amazon「TAKIMI レーザー彫刻機」
卓上タイプでコンパクトなレーザー彫刻機が「TAKIMI レーザー彫刻機」です。
ワイヤレス機能が付いており、Bluetoothがあればデータを移せます。
さらに本体の重量は、600gで携帯性にも優れています。
底部分は空き設計になっているため、大きいものにもワンポイントで彫刻が可能です。
メーカー | TAKIMI |
価格 | 18,880円 |
加工範囲 | 80×80mm |
レーザー出力 | |
加工ができる素材 | レザー/木材/竹/プラスチック/紙/陶器/ガラス/ケーキなど |
3.LaserPecker2 小型レーザー刻印機
引用:Amazon「LaserPecker2 小型レーザー刻印機」
円柱状のものにもレーザー加工できるのが「LaserPecker2 小型レーザー刻印機」です。
転がしながら彫刻してくれるため、失敗せずに円柱状のオブジェに彫刻できます。
さらに補助ブースターを使用すれば、100mm×2,000mmの範囲の加工も可能。
大きなものを彫刻したい方にも向いているレーザー彫刻機です。
メーカー | LaserPecker |
価格 | 109,000円 |
加工範囲 | 100mm×2,000mm(補助ブースター使用時) |
レーザー出力 | 5W |
加工ができる素材 | 合板/灰色の紙/レザー/アクリル/プラスチック/竹など |
まとめ
レーザー彫刻とは、レーザーの熱エネルギーを使って彫刻することです。
レーザー彫刻機は、レーザーを鏡に反射し、レーザーヘッドから光を照射することで、刻印できます。
入れた名前が半永久的に残ったり、繊細なデザインが入れられたりする特徴があります。
ただし、レーザー彫刻機は、すべての素材に彫刻できるわけではありません。
中には有毒ガスやレーザーを反射する素材があるため、説明書をよく読んだ上で、加工をしましょう。
レーザー加工は、企業に依頼できます。
企業によって値段設定にばらつきがあるため、見積もりを比較してから依頼してください。
家庭でもレーザー加工は、楽しめます。
今回紹介した使い方やおすすめのレーザー彫刻機を参考にしながら、購入を検討してみましょう。